Diego Velazquez

Las meninas
絵画の中の絵画といわれるベラスケスの「ラス・メニナス」は、ピカソが多くのバリアシオンを製作した事でも知られる。
見れば見るほど謎めいて、衣裳やいでたちを除けばこれが200年も昔に描かれたものとはとうてい思われないほどのなまなましさに満ちて、見ている私たち自身がこの絵の製作現場に今、居合わせているような、私たち自身もこの絵に参加しているような、そんな不思議な気持ちにさせる、絵画史上でも稀有な名作だといえるだろう。
ディエゴ・ベラスケスは、長く宮廷画家としてスペイン王朝の凋落期にではあったが、フェリペ4世に信頼され、愛された。フェリペ4世は、最初ベラスケスの描いた自分の肖像画を見て驚嘆し、以後、ほか誰にも、自分の肖像を描かせなかったという。

「インノケンティウス10世」
フランシス・ベーコンが、この作品のおそるべき模写を行なっている。
肖像画の名手であるベラスケスの、この作品自体がおそるべき迫力に満ちているが。
ベラスケスのすばらしい点は、王であれ、道化師であれ、対象物を見つめる目が、同じだということだ。そこに、人間としての差別化がない。
王だからといって理想化することなく、道化師だからといって、その人間性を軽んじることはなかった。
感動的なのは、道化師を描いて、人間の誇りや尊厳を見るものに否応無しに感じさせることだ。
さて、「ラス・メニナス」。

王女マルガリータも、画家ベラスケスも、宮中の女道化師も、果ては、後ろの扉に立つ誰ぞも、こちらを見ている。
こちらを…。どう見ても、私のほうを。
でも、私の正面には、すなわち、部屋の奥には、うすぼんやりと、王と王妃の姿が、鏡に映っている。
では、私の位置にいるのは、王と王妃?
いや、もしかして、それは鏡ではなく、二人の肖像画なのか?
そして、画家ベラスケスの前にある巨大なカンバスには何が描かれているのか?
王と王妃なのか、それともマルガリータなのか…、あるいはそれ以外の何か?
私には、一つの答えが、私だけの答えが、ある。
それは、今、この情景を眺めている私自身が描かれている、という答えだ。
↓マルガリータの単独の肖像画。

↓こちらは8歳のマルガリータ。

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