マニア垂涎
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マニアの路面電車 2005年 原口隆行 小学館文庫 小学館 05/6/12 |
最近、新たなマイブーム。それはずばり、電車。路面電車。
なつかしい響きだ。この路面電車が、今また再び脚光を浴びているという。
ヨーロッパで、次世代路面電車、LRTが導入され、成功するに及んで、低公害車である路面電車が、どうやら復権しそうなイキオイなのだ。
それと同時に私の路面電車に対する興味も、山のように高くなっていった。
でも、LRTのせいではない。ごく自然に、今の私が、それを欲するようになったのだ。
この本は、日本全国の、現在動いている路面電車を網羅した本。
豊富なカラー写真とビジュアルで、昔ながらの形の電車から最新式のスマートな車体まで、マニアなら垂涎の、マニアでなくともマニアになってしまうような、うれしく楽しい路面電車の紹介をしてあり、心うきうきと踊りたくなるような本だ。
私はぜひとも松山に行って、松山の路面電車に乗り、松山城を眺めながら道後温泉に行き、温泉で泳ぎたい。ああ、それが私の夢だ。
道後温泉の駅舎自体は新しく建てられたものらしいが、形がレトロ。
そして、途中では電車の線路と、鉄道の線路が直角にクロスする平面交差があるというのだ。
日本ではここだけだと言うから、もうその文章を読むだけでわくわくする。
中のカラー写真に、土佐電気鉄道の100系という電車の写真が出ていた。
それの、車体の前面の窓に、「ごめん」というステッカーが貼られているのにびっくりした。
この電車は何を謝っているのだろう。
そう思っていたら、最後の欄を読んで、土佐電気鉄道には「後免線」という線があるらしいということが分かった。電車はその路線を走っている、ということだったのだろう。ああびっくりした。最初は、電車が謝っている!と、びっくりしたのだ。
路面電車と言えば、広島を忘れてはいけないだろう。広島市は「動く市電の博物館」として有名だ。
いまでも路面電車の町であり、全国の、廃線になった電車がここに来て、余生を送っているのだ(海外から来たのもある)。
路面電車を一望したいなら、ここしかない。
私も昔旅行した時、広島で京都の市電に出会って感激した覚えがある。
この本を読んでいて嬉しいのが、作者が、「今も元気に走りまわっている」とか、昭和○年の生まれだとか、働き者、と言ったように、電車をあたかも人のように擬人化して、まるで電車に人格があるかのように扱っているところだ。
そういう記述を読んでいたら、古い時代に作られた車両が、今でも立派にちゃんと走っている姿を頭に思い浮かべて、何だかほのぼのとして来る。
そうだ。幾多の困難を乗り越えて、生き延びて来た電車たちが立派に動いているという事実は、古いものでもそう簡単に捨ててしまうべきではなく、どこまで頑張りつづけることが出来るか、それを最後まで見届けたいという思いを、増幅させるではないか。
頑張れるものは、とことんまで頑張って欲しい。一度この世に生まれ出たものは何であってもそうであることが、自然だ。
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